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ワークライフバランスの取り組みが
会社の活力を生み出し、将来の成長につながります

JSRマイクロ九州株式会社

 1996年6月、佐賀県佐賀市に設立した「JSRマイクロ九州株式会社」は、東京証券取引所プライム市場上場のJSR株式会社が出資した100%子会社。半導体や液晶ディスプレイ製造に必要不可欠な高性能材料を作り出す世界的なメーカーです。
 同社がワークライフバランスに力を入れることになったきっかけなどについて、JSRマイクロ九州株式会社の西川通則社長に聞きました。

JSRマイクロ九州株式会社
本社外観

世界シェアNO.1を誇るファインケミカル製品

―事業内容を教えてください。

 半導体用フォトレジスト、液晶ディスプレイに使用する絶縁膜と配向膜などのファインケミカル製品を作っています。いずれも半導体やディスプレイに必要不可欠な材料で、JSRグループ全体で世界NO.1のシェアを誇っています。

―佐賀に御社を設立した理由は

 30年ほど前から、九州には日本有数の半導体メーカーが数多く進出し、半導体産業が活発な地域でした。そこで半導体に欠かせない弊社製品を迅速に届けることを最優先とし、製造拠点としての立地のよさと、物流拠点としてのポテンシャルが高い佐賀県に設立しました。

代表取締役 西川 通則氏
代表取締役 西川 通則氏 *写真撮影のためマスクを外しています

働き方の見直しで残業減少、年休取得率も向上

―ワークライフバランスに取り組むきっかけは

 2003年の地上波デジタル放送開始で、液晶ディスプレイの需要が急増していました。弊社のディスプレイ用材料がないと液晶ディスプレイの製造は進みません。材料生産を急がなくてはというプレッシャーもあり、従業員のハードワークが目立つようになって、体調を崩しやすくなっていきました。
 この状況を改善するためには、働き方を見直す必要があると考え、ワークライフバランスの醸成に取り組みました。

―どのように働き方を改善してきたのでしょうか

 2007年に健康活力度調査(ストレスチェック)を導入し、2011年からは従業員の意識調査も始めました。残業の内容を細かく解析し、特定の従業員や部門に集中していれば、それを平準化するなどの改善を続けていきました。
 働き方改善の指標となるのが残業時間と年休取得率です。2007年は、残業時間は平均24時間でしたが、現在は10時間に減少しました。2010年、年休取得率は88%でしたが、現在は93%と向上しました。数字的にも残業が少なく、休みやすい会社に変化したと言えるのではないでしょうか。
 2011年から月1回の幹部会議で、各部門の残業時間や年休取得率を前年と比べるなど働き方を常にチェックし続けています。

休みやすい職場環境で福利厚生も充実

―福利厚生の面も充実しています

 2011年の東日本大震災をきっかけに、ボランティア休暇制度を設けました。社会貢献活動で休暇が必要な場合は、年間通算で最高5日間、有給休暇を取得することができます。実際に昨年、佐賀豪雨による大水害のときには、この制度を利用してボランティア活動に参加した従業員もいます。
 出産・育児についても、産前・産後休暇、子どもが1歳6カ月(保育所に入所できない場合は最長2歳)になるまで取得できる育児休暇制度(育休)や短時間勤務制度も整え、女性従業員は100%職場に復帰しています。男性の育休取得率も高く、2017年から5年間で子どもが生まれた男性18人のうち、半数の9人が役職に関係なく数週間~約1年の育休を取得しました。

■長く生き生きと働くために健康第一

―健康経営にも力を入れていらっしゃいますね

 長く生き生きと働いてもらうためには、健康が一番重要だと考えています。2017年以降、毎年「健康経営優良法人」認定を受け、昨年は特に優良な健康経営をしている企業に贈られる「健康経営優良法人 中小規模 ブライト500」にも認定されました。
 2018年には、社内にウォーキングマシンなどを備えたフィットネスルームを開設(コロナ禍で休止中)しました。体組成計も配置し、昼休みには従業員たちが利用しています。
 定時退社や育休取得、禁煙でポイントが付く弊社独自の「インセンティブポイント制度」を設け、健康経営を後押しする取り組みも行っています。ポイントは商品と交換できるので、結構従業員も楽しんでいるようです。
 また、従業員が始めたマラソン部やバスケットボール部など6つの部がありますが、健康推進の一環としてサポートしています。

JSRマイクロ九州株式会社

―従業員のステップアップのサポートは

 弊社は海外、特に欧米のお客さまと接する機会も多いので、英語を学びたいという従業員をサポートしています。TOEIC試験(英語能力テスト)の点数によって違いますが、高得点及び会社指示での受験の場合、検定料は全額補助です。弊社の仕事につながる通信教育などもサポートしています。

■自分の時間を自由にクリエイトしてほしい

―ワークライフバランスに取り組む意義は

 オフィシャルとプライベートの時間を社員それぞれがもっと自由に自分でクリエイトすることで、業務にも責任を持って反映させることができると思っています。長い目で見れば、社内に活力が生まれ、将来、生き残っていける企業に成長できると思います。
 集中するときは集中する、リフレッシュしたいときはしっかり休む、在宅勤務なども利用したメリハリのある働き方の実践で、ワークライフバランスを取ってほしいですね。

ワークライフバランスが整った生活が実現可能

―就職希望される方にメッセージを

 2012年以降、中途採用従業員は19人、そのうち7人はUターン組です。県外で働く方はワークライフバランスやゆとりのある子育てのために、ふるさとに戻ろうと考えている方も多いと思います。弊社はそれが十分に実現可能です。
 さらに会社規模は約120人(女性社員約15%)で、経営陣と従業員の距離が近く、製造や経理、品質保証、設備管理の各部署間での意思疎通も図れています。経営のことや業務内容など十分に把握できるので、思い切り働けると思います。
 弊社は、JSRグループの行動指針「Challenge(挑戦)」「Communication(対話)」「Collaboration(協働)」「Cultivation(共育)」の4Cを重要視しています。
 グローバルな視点で共に働きたいという方はぜひ応募してください。
弊社の製品は、世の中の景気に左右されにくいという強みがあります。今後も世界NO.1を誇る材料を供給し続けて成長していきたいと思います。

JSRマイクロ九州株式会社
*写真撮影のためマスクを外しています

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