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お客さまの喜びと信頼がモチベーション!!
ニシハツ産業の技術で、海苔文化を世界へ

ニシハツ産業株式会社

1982(昭和57)年に設立したニシハツ産業株式会社。各種海苔機械の設計・開発から製造・販売を一貫して行う海苔機械メーカーです。「自動海苔選別機のニシハツ産業」としても知られています。
海苔機械を通じて日本一の佐賀海苔を支えるとともに、日本の「海苔文化」を世界へ広めていこうと考えていらっしゃる吉丸泰治社長に事業内容や今後の展望などについてお聞きしました。

ニシハツ産業株式会社
本社外観

世界でも注目される自動海苔選別機のトップメーカー

―事業内容を教えてください。

 海苔の生産者様や海苔加工業者様向けの海苔機械を作っております。海苔に異物の混入や破れがないか見極める各種選別機、金属検出機のほか、折曲機、結束機、焼き機、味付け機、切断機、海苔束包装機など海苔が商品として売り出されるまで、お客さまのニーズに合わせた機械を設計開発から製造・販売までを行っております。
 自動海苔選別機の部門では、全国で約70%のシェアを誇っています。近年、海苔の用途が多様化する中、全国の海苔加工業者(食品加工業者を含む)や、大手コンビニ業界のおにぎり海苔生産加工用でも選別機や加工機のシェアを伸ばしています。

―海苔機械メーカーとして、海外への売り込みはどのように進められていますか。

 今から約30年前は、国外では日本ほど食の安全意識が高くなく、弊社機械に関心を寄せてくれる企業はごく一部のお客様に限られておりました。
 しかし、今、世界的な日本食ブームやお寿司の人気、海苔の栄養価の高さなどが評価されて、日本の「海苔文化」が世界に浸透してきております。日本同様、乾海苔を買い付けて加工販売する会社が増えましたので、世界に向けて選別機や加工機を輸出しています。
 最近では、韓国、中国、台湾はもとよりヨーロッパやアメリカなどの企業からの問い合わせや輸出も増えてきております。
 中国は海苔生産国でありながら、多くが輸出を占め、中国での海苔の国内消費については、まだ多くはありません。今後、世界の流れと同様に、中国国内において、おにぎり海苔など海苔の普及が進めば、海苔加工設備の需要は更に高まっていくものと期待しております。

吉丸泰治社長
吉丸泰治社長 *写真撮影のためマスクを外しています

技術開発に邁進し、時代に合った機械を製造

―御社の強みはなんでしょうか。

 世界にも海苔加工機器械のメーカーはありますが、特に、微細な異物の混入や海苔の破れや穴が開いた箇所を検知・判別する装置を製造する技術は、他国が真似できない弊社の強みです。43年前の創業時から技術開発に取り組み、最新技術を取り入れて定期的にモデルチェンジを繰り返しながら、今の時代に合った機械を製造しています。
 韓国海苔を日本に輸出する韓国企業の中には、日本の高い安全基準を満たすために、弊社の機械を使っている企業もあります。
 日本は食に対する安全基準が高いので、それをクリアする海苔製品作りに貢献できる弊社の機械は、国内外からの信頼は厚いと思っております。

―メンテナンスと迅速なアフターフォローには定評があります。

 海苔機械の処理能力は、昔に比べてずいぶん向上しています。もしトラブルが起きて、少しの間でも機械が停止すると生産が出来ないので、迅速に修理して機械を止めないようにすることが重要になります。
 そこで弊社では、毎年海苔のシーズン(11月~3月頃まで)には、各海苔生産地に技術チームを滞在させて、「もしも」に備えています。また、シーズンオフには全国のお客様に出向いて、次のシーズンのためのメンテナンスを実施しております。
 社員によく話しますが、私たちは製造会社ですが、サービスを提供する会社でもあります。メーカーである私たち自身が直接出向いて、迅速で確実な修理、真心を込めたアフターサービスを続けてきた結果が、今のお客さまの信頼につながっていると思います。

ニシハツ産業株式会社

チームワークのよさ、技術の継承が製品のよさに

―御社の社風と人材の育成法は。

 上下関係なく、気軽に話ができる風通しの良さが弊社の社風のひとつで、それがチームワークの良さにつながっているのではないでしょうか。アットホームですよ。
また、自分でスキルを磨き、頑張った人を評価するというのも社風ですね。それが仕事へのモチベーション向上につながると思います。
 弊社は製造業ですから、技術や技能の継承をしていく必要があります。先輩社員が後輩社員の〝チューター役〟として技術を伝授するなど、現場ごとに臨機応変に対応できるように育てていきます。社員が一緒に経験を積み重ねていくことは技術や技能の伝承の上でも必要ですね。

―御社で身に付くスキルを教えてください。

 弊社は、それぞれの部門や持ち場において、それぞれ多様な技能・個性を持った社員が集まったスペシャリスト集団になることが大事だと考えています。
 ですが、弊社の機械を知らないとお客さまには何も伝えられませんから、入社後最低2年は組み立てやメンテナンスを学びます。その後、技術・開発・製造・資材・営業の各部門に配属されてそれぞれにスキルを磨いていきます。
 また、弊社は比較的自由度が高い会社で、いろんな提案をしやすい環境が整っていますので、自分自身の努力次第でスキル向上を図っていくことが可能です。例えば、トラックの運転免許、フォークリフトや小型移動式クレーンの資格取得等は、会社が補助するほか、やる気がある方には、その都度応援していきたいと思っています。

ニシハツ産業株式会社

―仕事のやりがいはなんでしようか。

お客さまに喜んでもらえることです。とりわけ、お客さまが海苔の生産・加工をされる際に、弊社が開発した機械が役に立ち、消費者に最も好まれる海苔商品になったときは、一番のやりがいを感じます。

海苔づくりへ貢献する

―今後の展望をご紹介ください。

 ネット社会で佐賀の情報が世界のどこでも手に入る時代、佐賀から世界は遠い存在ではありません。今はコロナ禍で海外へ出向くことは難しいですが、いつでも飛び出していけるように、工場における製造工程などを見直して無駄をなくし、現場がスムーズに回るように体制を整えています。
 今後、海苔業界でもますます機械化や合理化が進んでいくと思います。研究、技術開発の歩みを止めずに、日本一の海苔の生産地である佐賀に軸足を置きながら、海苔の生産者様や加工業者様のためにコストダウン、量産化、迅速化に貢献し、〝世界のニシハツ産業〟を目指していきたいと思います。

―就職希望者にメッセージをお願いします。

 弊社は社員45人と少ない人数で、世界に挑戦しています。佐賀ブランドの海苔とともに、日本の「海苔文化」を世界の消費者に届ける橋渡し役として、皆さんの技能、アイデアが必要です。ぜひ、ニシハツ産業で活かしてください。ふるさと佐賀を県外から見てきた方も、物ごとを客観的に捉えることができる力を発揮してください。ご応募をお待ちしております。

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