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  2024.9.10

■レグナテック株式会社 ショールームCLASSE
 店長 筒井紀充さん

20代で、東京のインテリア業界に飛び込んだ。
様々な経験を経て、帰郷。
家具を通じて、世界や日本各地につながりを感じられる仕事のやりがいと
今だからこそ感じられる暮らしの豊かさがある。

ー 筒井さんは、佐賀県のご出身だそうですね。

筒井さんはい。佐賀県唐津市出身です。若いころは都会への憧れが強くて、高校卒業後は東京の大学へ進学しました。 就職は、昔から好きだったファッションやインテリアの業界へ進みたいと思っていました。 そんなときに新宿に店舗を構える誰もが知っているような大型家具店に出会い、「こんな東京のど真ん中で仕事ができたらかっこいいだろうなあ」と思い、就職しました。

ー その後、佐賀県に戻るまでの経緯を教えてください。

筒井さん 東京にいる頃に東日本大震災を経験しました。私が生活をしていた東京ももちろん揺れ、ご存知の通り、東北の方はより甚大な被害を受けました。

当時、私は最初に就職した企業から、システムキッチンや輸入家具などを取り扱う企業に転職していました。 震災後、その会社を通じて、気仙沼に復興支援へ行き、家具を運んで人が集まれる場づくりや現地での消費などに尽力しました。 被災の状況を目の当たりにして、ショックも受けましたが、復興に向けて前を向く人々の姿に心を打たれたのも事実です。 振り返ると、そんな経験を通じて、地域や地元を強く意識するように変化していったんだと思います。

ー レグナテックとの出会いはどんな風に訪れたのですか?

筒井さん 震災から約1年後には唐津に戻りました。久しぶりの唐津での暮らし。少し、肩の力が抜けたような、ホッとしたような感覚がありました。 転職活動では、いろいろな業界を見てみたいと思っていました。なんでもやれるという自信も持っていましたので。 それでも、やっぱりインテリア業界の道を選んだのは、レグナテックと出会ったからではないかと思います。

当時、私の地元 唐津にレグナテックのショールームがあり、そこでこの会社の求人を見つけました。レグナテックは佐賀市諸富に本社があります。家具の産地としての誇りや、長い歴史の中で培われた高い技術力、モノづくりへの姿勢に魅力を感じていたため熱意を伝え、縁あって採用していただきました。

私はこれまでに、旭川や飛騨高山など、日本各地の家具の産地を見て回ったことがあり、その経験から、木工に携わりたいという気持ちが大きくなっていました。その気持ちは、職人を目指してみたい‥と思うほどでした。 前職で、大理石やガラスを使用したシステムキッチンや家具を取り扱っていましたが、改めて、木の香りやあたたかみのある家具の魅力に惹かれている自分に気が付いたように思います。

ー 佐賀県での暮らしは、いかがですか?

筒井さん 入社当時は、唐津のショールームで働いていましたが、その後、佐賀市諸富の本社勤務になり、現在は、本社に隣接するショールームで店長を務めています。若い頃は、佐賀県の魅力に気がついてなかったのですが、今は大好きです。

現在の住まいは唐津。そこから、毎日車で通勤しています。車内では、ラジオを聴いたり、好きな音楽を流したりして、車からの景色を楽しんでいます。ここには、満員電車も人混みもない。美しい景色がある。自分のペースで行動できる点も楽しいですね。

だけど、それも東京での生活を知っているからこそ感じることができると思うんです。こういった価値観を持てるのは、Uターン転職者の特権かもしれませんね。もちろん、東京の暮らしも楽しかったです。佐賀県に戻ってから結婚しました。野球観戦に行くなど今は家族5人で過ごす時間をとても大切にしています。

ー 仕事をしていて、やりがいを感じる瞬間は?

筒井さん 私は、このショールームを売り場ではなく、買い場と考えています。あくまで、主役はお客さまであり、家具なので、私は、お客さまと一緒に買い物をしているような接客を心がけています。 一方、お客さまの声を職人たちへ伝えることも、私の大切な仕事だと思っています。 弊社が製造から販売まで一貫して行っているからこそできる仕事です。そうすることで、より良いモノづくりにつながるのではないかと考えています。
また、諸富のショールームには、全国から家具のバイヤーさんが年4回買い付けにきます。一般のお客さまのお相手をするときももちろんそうですが、プロを相手にするとなると、より多くの知識が求められます。私にとってそれは、大きな刺激になっています。

レグナテックの家具は、海外にも展開しているので、佐賀県で暮らしながら、家具を通して、世界や日本各地につながりを感じられるのは嬉しい限りです。

それから、弊社の家具は県庁やSAGAアリーナなど、県内の主要施設でも使用していただいています。私自身、誇りに感じていますし、「お父さんの会社がつくった家具はいろんなところで使われているんだよ」と、子どもたちへの自慢にもなります。

ー これから佐賀で就職、転職を考えている人にメッセージをお願いします。

筒井さん 私が、社会に出たばかりの頃に先輩から「グルメになってはいけないよ」と教えられました。 家具店にご来店されるお客さまを見て、この人は買うだろう、この人は買わないだろう、と決めつけてはいけないという意味です。

それって、人生でも同じことが言えると思うんです。自分はずっと、ここで生きていく。この仕事しかできない。そういう決めつけは可能性を狭めます。 もっと、シンプルに、自由に、視野を広げて、先入観にとらわれず、これからの人生を考えてみてもいいと思うんです。 そうすれば、もっといい未来が見えてくるかも知れませんね。 そして、その場所が、佐賀県だったら私も嬉しいです。

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