仕事にエネルギーを注げば、
佐賀で可能性は広がります。
2023.8.30
■本村製菓株式会社 取締役副社⾧
坂口 誠さん
本村製菓は昭和28年創業の焼き菓子メーカー。400年の歴史がある菓子『丸ぼうろ』を製造・販売しており、東京や大阪、海外へも販路を広げています。ご自身も転職を経験され、現在は副社⾧を務められている坂口誠さんに佐賀の企業はどんな人材を待っているのか伺いました。
ー 本村製菓について紹介してください。
坂口さん 丸ぼうろを製造するメーカーは他にもありますが、私どもの丸ぼうろは食感がやわらかいことが特徴です。伝統の味を守りつつ、近年はコラボ商品など新しいチャレンジも始めていますよ。製造、営業、事務管理などのスタッフが30名ほど働いています。
ー 坂口さんの経歴を教えてください。
坂口さん 出身は北九州市です。大学進学と同時に東京へ行き、東京で就職しました。その後、本村製菓に転職して7年になります。
ー どのようなきっかけで転職されたのでしょう?
坂口さん 前職もお菓子に関わる仕事をしており、全国展開している大きな企業で働いていました。福岡に拠点をおいたまま東京に⾧年単身赴任していたのですが、このまま勤め続けるならば、九州には帰れないという状況になりまして。娘もいますし、家族が暮らす拠点を東京に移したほうがいいのか…など色々悩んでいました。そのような時期に丸ぼうろのPRで東京に来た、現社⾧の本村一真と出会ったんです。
ー 社⾧とのご縁があったのですね。
坂口さん 九州のお菓子業界のみなさんと食事会が開かれ、本村も同席していたのですが、その場で「九州に僕の受け皿はありませんか?」と軽くアピールしたんです(笑)すると後日、本村から電話がありまして。「僕はいずれ社⾧になります。会社として変化が必要だと思っていますが、自分たちだけでは新しい発想が生まれにくい現状です。私たちと一緒に働きませんか」と。
ー その言葉を聞いて、どう思われたのでしょう。
坂口さん 私も「九州に帰りたい」という気持ちが強かったですし、なによりも丸ぼうろというお菓子に可能性を感じ、必ず伸びる業界であるという確信がありました。前職の企業には20年ほど勤めていたので転職する際に勇気は必要でしたが、本村製菓でチャレンジしたいという想いが強くなりました。
ー 転職されて仕事や生活面での変化はありましたか?
坂口さん 仕事面では良い意味で規模が小さいので、自分がやりたいことをやらせてもらえる環境になりました。大企業では大きなプロジェクトの歯車のひとつになりがちですが、現在はプロジェクトの中心に立って仕事ができる喜びがあります。またチャレンジしたとき、すぐに結果が見えることにもやりがいを感じます。生活面で一番良かったと感じるのは、やはり家族と過ごす時間が増えたことです。また佐賀はやさしい人が多く、転職して仲間が増えました。同業者だけでなく、色々な業界の方々と飲みに行くこともありますよ。
ー 転職後、仕事において心がけたことはありますか。
坂口さん まずは人間関係をつくること。何か発言するときも、みなさんの意見を尊重しつつ「こういうやり方はどうですか?」と提案するようにしていました。また社員の士気を高めたいと思い「丸ぼうろには400年の伝統があるので誇りを持って仕事をしましょう」と朝礼で言い続けました。その結果、少しずつですが会社の雰囲気が変わっていった気がします。
ー 気持ちの変化も促したのですね。
坂口さん 仕事の視野を広げてほしいと思い、現在、製造スタッフの女性たちに新商品のアイデアやパッケージのデザインを考えてもらっています。また彼女たちとショッピングセンターに行き、バイヤーと営業スタッフがどのように商談しているのか見てもらったこともあります。いろいろ体験してもらうことで、スタッフの仕事に対する向き合い方にも良い変化があったと感じます。
ー 坂口さんご自身の目標を教えてください。
坂口さん 私の使命は丸ぼうろを首都圏や関西圏など多くの人々に知ってもらうことです。私たちだけでなく他のお菓子メーカーや自治体などと一緒に「佐賀の魅力」を発信する中で丸ぼうろをPRできたらいいですね。また工場見学ができたり、カフェやギャラリーなどを併設した『丸ぼうろパーク』をつくりたいという夢もあります!
ー 採用という面では、どのような人材を求めているのでしょう。
坂口さん 「自分はこれをやりたい!」という情熱を持った人に来てほしいと思っています。中途採用の場合も、その人の経歴より仕事への情熱を私は大事にしています。本当にやりたいことがあれば転職する際に業種を変えてもいいと思いますよ。当社に以前工業系の大手企業に勤めていた社員がいるのですが、現在はスーパーに足を運んでお菓子の価格調査に情熱を傾けています。
ー 就活されている方へのメッセージはありますか。
坂口さん 大企業で働くのも、小規模の会社で働くのも、エネルギーを燃やせるかは自分次第。会社の規模が仕事のやりがいをつくるわけではありません。仕事に対する情熱があれば、佐賀で働くことで可能性は広がると思いますよ。やりたいことが明確にあり、プロジェクトの中心になって働きたい人を、私たちも含め佐賀の企業は求めていると思います。